この住民投票に関連して、経済人・大阪維新の会からの新聞折込チラシが1回だけ管理人宅の新聞に入っていました。次のpdfファイルはこれをスキャンしたものです。
維新関係の数あるチラシの中で、これが最も突っ込みどころの多いチラシではないかと思います。以下に、このチラシの中の問題点を順に挙げます。
1. 大阪市はなくなるの?
「大阪府・大阪市という役所はなくなり、大阪都と5つの特別区になります。でも大都市・大阪は栄えます。・・・大阪都構想で大阪は必ず大発展します。」とのことです。
賛成多数でも大阪都ができるわけではありませんし、特別区を設置したらなぜ大阪が栄えるのかわかりませんし、この住民投票と大阪都構想は関係ありませんし、なぜ大阪が必ず大発展するのかもわかりません。
2.大阪都で住所は変るの? 住所変更が誰がするの?
質問2の回答は「大阪都になっても皆様の住所は変わりません」、質問3の回答は「住所変更の必要はありません。各特別区でやります。」となっており、自己矛盾してます。
実際は大阪都にはならず、「大阪府大阪市〇〇区△△町」は例えば「大阪府◇◇区△△町」になり、住所は変わります(「大阪市」は確実になくなります)。そして、役所内の住所データは自動的に変わるのでしょうけど、それ以外の住所は当然各自が変える必要があります。
3.大阪都の発足には膨大な費用がかかるというけど?
「デマです!1年で取り返せます!」とのことです。
これは、是非、経済人・大阪維新の会の方に根拠を示して頂きたいです。初期費用(移行コスト)が約680億円で、賛成派がよく使う問題のある「長期財政推計[粗い試算]」でも最初5年はマイナスです。
4.二重行政の解消でいくら財源が浮くの?
「少なくとも2762億円!」「毎年数兆円」とのことです。
賛成派がよく使う問題のある「長期財政推計[粗い試算]」でも17年間で2762億円です。それが毎年数兆円になるという根拠を示して頂きたいものです。
5.大阪に世界最高級の大学を!
「大阪府立大学と大阪市立大学を統合して世界超一流の大阪都立大学にします」「ノーベル賞級の人材を育てます」「大学を統合して大阪の学問的雰囲気を高めれば基礎教育は必ずレベルアップします」とのことです。
2つの一流の総合大学を統合すれば、世界超一流になり、ノーベル賞級の人材が育ち、学問的雰囲気(?)が高まり、基礎教育がレベルアップすると言われましても、意味が分かりません。
現在、大阪府立大学・大阪市立大学には、大阪府・大阪市の若者だけではなく他の地域の優秀な若者も学びに来てくれています。他の地域からの若者が多いことをマイナスと捉える方がおられますが、逆ではないでしょうか。優秀な若者も教職員も大阪府・大阪市に集まり、とてもありがたいことだと思います。
6.堺屋太一氏のコメント
堺屋太一氏は、2016年1月9日時点で大阪市特別顧問、経済人・大阪維新の会の最高顧問で、2015年12月28日に開催された副首都推進本部会議に出席されています。また、2016年1月30日、維新政治塾の開講式に来賓として出席されています(次の画像は尾田一郎様のツイッターより)。
7.佐々木信夫氏のコメント
原英史氏は、2016年1月9日時点で大阪市特別顧問で、2015年12月28日に開催された副首都推進本部会議に出席されています。
(最終更新:2016年1月30日)